通信データ vol.27

通信データのvol.26に示したように、我が父に相当するエビカぁニⅡ世の「エノック進化系なるぞⅢ」では、第3段階エノックは、ジャンプするだけのmarkⅠ、穴を掘れるmarkⅡだけでなく、markⅠ、markⅡの行動を制御できる指令的な役目も有していたmarkⅢが、エノックの巣穴の深層部に存在していたことが記されていた。さらに、この第3段階エノックmarkⅢは、markⅠ、markⅡの能力をうまく活用して、巣穴の深部にまで効率よくボボンガ星のメタン(注)を運ぶようなシステムを創り上げたことが、調査により発見された。このシステムが創られたことで、エノックは只の動物的な存在から、すなわち、エノックの進化の第2段階である「②連携したキノコ様の生物が、キノコ様の動物になる。」から、文明を持った「③キノコ様の動物が、村を開拓する。」になった所以とされている(vol.18を参照)。

「この時を持って、ついに第3段階エノックmarkⅢの登場が、巣穴がアカルー村へと真の村的な状態へと移行させたに違いない」、と我が父に相当するエビカぁニⅡ世はそのシステムの発見に興奮し、

「我々は、ついにこのシステムの発見が、エノックが文明をもっている、と確信を持って言える。」

と「エノック進化系なるぞⅢ」に断言している。この「エノック進化系なるぞⅢ」に記載された断言は、我らがヒーペロ星人を大いに沸かせ、この発見は我が父に相当するエビカぁニⅡ世の最も優れた業績の一つである。また、これを持って我が祖父に相当するエビカぁニⅠ世の歴史書「ボボンガ星体系なるぞ」に記されたアカルー村の予測が、正しかったことが証明された。

なお、この発見については、通信データのvol.20にあるように、エノックとの短時間の交信だけでは成しえなかったようであり、「エノックに類似した物質を使って、長時間にわたってエノックと交信できた」ことによるらしい。「エノック進化系なるぞⅢ」にはそのように記されていた。

そのエノックの文明を有していた証とされるシステムを図に示す。黒がメタンを固めたもの、赤がそれを運ぶシステムで、渦巻の中心に巣穴の最深部がある。我が父に相当するエビカぁニⅡ世の「エノック進化系なるぞⅢ」では、このシステムを「エノクラータール (メタン移送システム)」と後に名付けている。

enokmethanemovie

gnuplotで

set param
unset key
set size ratio -1
set samples 10000
set term gif animate optimize size 480,360
set output ‘enokmethanemovie.gif’

e = 1
omega=0.1

set tr[1:600]
do for [i = 1:200 ] {
plot e*cos(omega*t)/sqrt(t), sin(omega*t)/sqrt(t)
set label 1 point pt 7 ps 3 at e*cos(omega*i*3)/sqrt(i*3),sin(omega*i*3)/sqrt(i*3)
}

do for [j = 100:200 ] {
splot sprintf(“./fort.%d”, j) u 1:2:3 w l t sprintf(“./fort.%d”, j)
}

とデータ入力すると*、「エノクラータール (メタン移送システム)」がグラフ化される。

*:http://slpr.sakura.ne.jp/qp/only-gnuplot/を参照

注:メタンは、モーケココッコ(別名:緑化トロット・ヌメヌーメ)にドショウモナクメタメタヤン菌を発生させた物質でもあり、かつ、モーケココッコとその菌の融合がエノックの誕生のきっかけとなった物質でもある。そのため、エノックには欠かせない物質であり、それは、エノックの主食でもある(「エノック進化系なるぞⅠ」 (vol.17vol.19も参照))。しかし、ドショウモナクメタメタヤン菌の存在は確認されていない(「ボボンガ星体系なるぞ」 (vol.16も参照))。