エビカぁニ家にまつわるお話し

我らがヒーペロ星人は、アバルス星雲エカリーテ系団ヒーペロ星ペロリンチョ王国の住人であり、我がエビカぁニⅢ世は、そのペロリンチョ王国の三代目の国王に当たる。

このたび、我らが星の歴史も合わせて、通信データとして以後ここに記録することとなった。その詳しい経緯については、こちらをご覧いただきたい。

ここでは、ペロリンチョ王国の国王家である、我がエビカぁニ家について、お話しさせていただきたい。

ヒーペロ星人の寿命は、銀河群天の川銀河オリオンアーム太陽系地球の暦で言えば、約2000年に相当する。我がエビカぁニ家がペロリンチョ王国を建国する前、約1万年前には、様々な王国が乱立していた。こちらについては、ヒーペロ星の成り立ちも含めて、いずれ通信したいと思うが、祖父に相当するエビカぁニⅠ世の絶大なる信頼の元、ヒーペロ人が一致団結し、ペロリンチョ王国が建国した。ちなみに、祖父に相当するエビカぁニⅠ世は生物学者で、社会学者で、人類学者で、航空学者で、建築家で、電気工事士で、料理人で、ソムリエで、バイタリティのある人であった。

父に相当するエビカぁニⅡ世は、いわゆる天才で、祖父に相当するエビカぁニⅠ世の学問体系を生まれてすぐ200年内で習得し、その後は宇宙工学を独学で習得し、飛躍的に星間の通信技術を発達させた。また、星間の航空法も独自に編み出し、ヒーペロ星は瞬く間に国際宇宙学連合体に認められ、現在のヒーペロ星人が宇宙でも活躍できるきっかけを作り出した。

我がエビカぁニⅢ世は、その偉大なるエビカぁニ家に生まれた三代目にあたる。しかし、父に相当するエビカぁニⅡ世のように天才でもなく、祖父に相当するエビカぁニⅠ世のようにバイタリティがある訳でもない。ヒーペロ星の宇宙工学の礎は、ほとんど父に相当するエビカぁニⅡ世が作ったため、我がエビカぁニⅢ世はそれをブラッシュアップ(メインテナンス?)するだけで、実は宇宙工学はあまりよく分からない。少なくとも、恥ずかしいことに、宇宙空間における我が星の位置さえ、ここに示すように、よく知らない。

我がエビカぁニⅢ世の専門とするところは、ヒーペロ星の生態学である。ただし、父に相当するエビカぁニⅡ世の膨大なメモ帳から、少しずつ宇宙工学も学んでヒーペロ星のペロリンチョ王国の三代目の国王の名に恥じないよう努力したい。

エビカぁニⅢ世、ここに記す→