通信データ vol.64

サザぇんほターテⅡ世の勧めもあって、我がエビカぁニⅢ世は、我が父に相当するエビカぁニⅡ世が創立したペロリンチョ宇宙工学会にて、通信データのvol.63の仮説を発表することにした。

「今回、我がエビカぁニⅢ世は、亡き我が父に相当するエビカぁニⅡ世の宇宙船である、デアブタンク600ぇすいに搭乗し、宇宙航行を試みた。皆さんもご存じのように、デアブタンク600ぇすいは星間自動操縦のない宇宙船であり、操縦もある程度なれてから航行しないと危険である。しかし、今回、我がエビカぁニⅢ世は、果敢にもその宇宙船にてエルビぃ48星に向かった。」

「この図をご覧いただきたい。」

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「これはヒーペロ星を出発してから、その後のデアブタンク600ぇすいの航行軌跡を示したものである。これを見ると、お分かりかと思うが、実は、ヒーペロ星の中心部にて軌跡が途絶えた。その後の調査で、別段、宇宙船のデータ記録器に故障はないことが判明している。」

「さらに、今回の航行で奇妙な出来事があった。ひとつは、通常の宇宙空間とは異なる景色が見られたこと、ひとつは、その景色の合間に別の惑星が見られたこと、ひとつは、帰ってきた時間がヒーペロ星の時間と異なっていたこと、である。」

「そこで、ヒーペロ星に戻った後、デアブタンク600ぇすい内のショッパぇエン様の記憶を辿り、宇宙船外の重力場の変化を可視化した。」

「この図をご覧いただきたい。」

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「重力場が歪んでいるとともに、入口、および、出口が広がった巨大なヒョロリー(注)のような状態が確認できる。」

注: 銀河群天の川銀河オリオンアーム太陽系地球で言えばストローのようなもの(通信データのvol.20も参照)

「そこで、今回の宇宙航行に関して、亡き我が父に相当するエビカぁニⅡ世殿の書物「エビカぁニⅡ世の宇宙への旅系なるぞⅠ」のQ&Aにある、Q113:「他の惑星は球形が多いのに、なぜヒーペロ星は下の様な形なのでしょうか?」に対する最大にして謎のヒーペロ星に関するA113の仮説を唱えたい。」

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「仮説:時空間を歪めている何らかの結果として、ヒーペロ星はドーナツの様な特殊な形をしている。そして、その中心部では、時間の進みが遅くなり、同時に空間の裂け目が存在する。」

さらに、その仮説の補足として、

「時空間を歪めているのは、観察の様子から、ヒーペロ星とボボンガ星の間にある巨大なブラックホールとも違う。しかし、現象的には互いに関連性があるのかもしれない。たぶん、ヒーペロ星の中心部には、時空間を歪めるような何かエキゾチックな物質が存在しているに違いない。」

と発表した。すると、会場からどよめきが起こった。

エビカぁニⅢ世、ここに記す→