通信データ vol.58

通信データのvol.57で記したように、今回の宇宙航行は6時間ほどの時間経過であったはずである。宇宙船内の時計も出発からほぼ6時間であることを示している。しかし、ペロリンチョ王国の元老で、我が父に相当するエビカぁニⅡ世の同僚であるサザぇんほターテⅡ世からは、12日間も経過していたことを告げられた。サザぇんほターテⅡ世はかつて一度もうそをついたことはない。むしろ、うそをついても、我らがヒーペロ星人はショッパぇエン様を介して互いに交信していることから、うそはつけない。いったい何があったのであろうか?

今回の宇宙航行を振り返ると、不思議なことが3つあった。

ひとつめは、奇妙な宇宙空間に迷い込んだこと
ふたつめは、奇妙な音がしたこと
みっつめは、途中で他の惑星が見えたこと

である。さらに、その奇妙な宇宙空間では、シャケナベぃべの推進機構による重力場のコントロールもまったくもって不能であった。

そこで、これらを調べるために、宇宙船の飛行状況のデータを確認した。すると、

fig0058

という飛行データが得られていた。

これを見ると、ヒーペロ星から飛び出した時は、ヒーペロ星の外側へ、まっすぐ飛行したように感じていたが(通信データのvol.51参照)、実際はとてもくにゃくにゃな飛行軌跡であった。それはそれとしてまあよしとしよう。我がエビカぁニⅢ世がデアブタンク600ぇすいの操縦の腕の問題でもある。

しかし、知らず知らずの間にヒーペロ星の中心に到達してしまった後、データが消えていた…。確認すると、宇宙船のデータ記録器に別段故障はない。「なぜだろう?」

エビカぁニⅢ世、ここに記す→