通信データのvol.107で我がエビカぁニⅢ世は、リヒト・マーガレぁⅢ世殿とタコンイぃカⅢ世殿に対して、アンプーノ・イゴ星でリヒト・マーガレぁⅢ世殿が特集したイゴなニュース誌に掲載されていた信号をすでに知っていることを告げた。しかし、我がエビカぁニⅢ世が観察した信号は、イゴなニュース誌の赤い線のみであり、緑の線は知らなかった。そこで、リヒト・マーガレぁⅢ世殿に尋ねてみた。
エビカぁニⅢ世:「イゴなニュース誌にある赤い線は宇宙船のデアブタンク600ぇすいの航行中に得られた信号と同じです。なのですが、この緑の線は知らないので、この緑の線について、リヒト・マーガレぁⅢ世殿からぜひ教えて頂きたいのですが…」
リヒト・マーガレぁⅢ世:「これね。これは、実は私ことリヒト・マーガレぁⅢ世が観察していた微生物からの信号なの。微生物の名は、私ことリヒト・マーガレぁⅢ世の上級学者でもあるリヒト・ぁシュバオロスⅡ世から取って、ぁシュバオロス菌と名付けられた菌で、国際宇宙連合体でも10年ほど前にいちやく有名になった微生物なのね。エビカぁニⅢ世殿もその存在をすでに知っているかと思うけど…」
エビカぁニⅢ世:(…やばい。まったく、知らなかった…。)「そ、そ、そうだよね…。」
リヒト・マーガレぁⅢ世:「このぁシュバオロス菌は不思議なことに、何も栄養を必要としない、何かの化学的な反応によって生存していることは分かってはいるの。一説には、宇宙における初めての菌かもしれないともいわれてはいるのね。もともと、アンプーノ・イゴ星に20年前に落ちてきた隕石に含まれていた菌なので、その何かの化学的な反応については未だに明らかになっていないことが、この菌の最大の謎の一つなのだけれども、この菌のもう一つの特徴として、同じ菌から発信されたの何らかの信号源に呼応するらしく、2つ離れた箇所に菌を置いても、その両方が同期することが分かっているの。この菌間の同期をうまく操作すると、ぁシュバオロス菌の起源となる星の秘密が分かるはず、さらに、それによってその星で宇宙における初の生命体の秘密も分かるはず、と、私ことリヒト・マーガレぁⅢ世は20年前から提唱していたのね。そこで、いろいろな星に向けて同期する方向を探していたのだけれども、今回、ちょっとした実験上の手違いもあったにも関わららず、そのお陰もあってなんだけれども、改めて偶然にハドゴンG星の”ぴラミクの穴”と名付けられている洞窟上の地形の方向に向いたときに、なぜかアンプーノ・イゴ星にあるサンプルのぁシュバオロス菌が同期し始めたの。その時、ハドゴンG星に生命体がいるのではと思ったの。ただ、ほら、ハドゴンG星はむかしの探索の際にすでに生命体はいないと決着がついていた上に、以前、ハドゴンG星に詳細にサンプルのぁシュバオロス菌を向けた時でも、”やっぱり”なほど反応していなかったので、もはや、ぁシュバオロス菌の起源の星としては、ハドゴンG星は却下していた、にも関わらず…ね。ほんと、偶然なの。らっきーだったわ。」
エビカぁニⅢ世:「ふ~ん…。」
我がエビカぁニⅢ世の勉強不足もあって、ぁシュバオロス菌自体もおろか、そんな宇宙における初めての菌の可能性も、まったく知らなかった。
リヒト・マーガレぁⅢ世:「詳しくは、明日の特別の学会で述べようと思うのね。偶然の再会だけれども、もちろんエビカぁニⅢ世殿も参加するわね?」
エビカぁニⅢ世:「御意ぃひ。」
またもや、声がうわずってしまった。
リヒト・マーガレぁⅢ世:「今回の学会には、このエルビぃ48星だけではなく、ここから45億kmも離れたマリーム星からも学者を招集したのよ。学会にはもちろん私ことリヒト・マーガレぁⅢ世と同じく微生物学者から、タコンイぃカⅢ世殿のような通信工学者、あるいは、エビカぁニⅢ世殿と同じく生態学者も招集したのよ。ちょっと私ことリヒト・マーガレぁⅢ世の
もあってね…。」
エビカぁニⅢ世、タコンイぃカⅢ世:「
。ふ~ん…。」
アンプーノ・イゴ星人は、興奮すると頭頂の星に似た器官が大きくなるのが特徴でもあるが、リヒト・マーガレぁⅢ世殿もそうなっていた。
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