通信データ vol.43

我が父に相当するエビカぁニⅡ世がボボンガ星への宇宙航行で使用していた宇宙船は、主に第二号機であるデアブタンク600ぇすいであったことは、通信データのvol.42にて報告した。このデアブタンク600ぇすいは、市販型ではないため星間自動操縦がなく、我が父に相当するエビカぁニⅡ世は、その宇宙船を自ら操っていたことになる。すなわち、行こうと思えば、ブラックホール近辺までも操縦できたことになる。そのことから、具体的にブラックホール近辺では宇宙船がどのような状況になるのかは、我が父に相当するエビカぁニⅡ世の膨大なメモ帳の中に記されていることは、容易に考えられる。そのため、試作宇宙船の第一号機である、カウンタンク400ぇるぴと、デアブタンク600ぇすいの開発した期間のメモ帳について探ってみると、睡眠学習器でとある式に反応があった。それを下図(*)に示す。

f00000266

らしい…。

さっぱり分からなかった。

式の下には、

…中略…

「暗黒の惑星の航行の際には、このRsがミソとなる。Rs=2GM/c2とする。 」

と書かれてあった。

Dr.ダレナンにこのことを伺うと、

「やはり数学は宇宙共通言語なのですね。」

「このRsは、地球ではシュヴァルツシルト半径と定義されています。これは、情報の伝達が一方的な事象の地平面が存在し、漸近的に平坦ではない方の時空の領域のことを指し、シュヴァルツシルト半径よりも小さくなると領域内からは光が全く放射されなくなることが分かっています。」(**)

と教えていただいた次第である。なるほど。我が父に相当するエビカぁニⅡ世がボボンガ星へ宇宙航行する際には、睡眠学習器での反応が示すように、この値を重要視していたような感じである。

ただし、メモ帳にはもちろんシュヴァルツシルト半径とは書かれてはいない。シュヴァルツシルトとは、Dr.ダレナンから、銀河群天の川銀河オリオンアーム太陽系地球のドイツの天文学者で、天体物理学者であったカール・シュヴァルツシルト博士のことを指しているとお聞きしたが、メモ帳には、先に続けて

「このRsをあえて名付けるとすれば、マックロんミーソシルとしたい。」

と書かれていた。ちなみに、ヒーペロ星で”マックロん”とは暗黒の意味を示す。我が父に相当するエビカぁニⅡ世が試験的に宇宙へ飛行した際の書物である「エビカぁニⅡ世の宇宙への旅系なるぞⅢ」では、ヒーペロ星とボボンガ星の間にあるこの暗黒の惑星のことを、あえてブラックホールと名づけていたことを通信データのvol.37で報告したが、この式が記されているメモ帳は、「エビカぁニⅡ世の宇宙への旅系なるぞⅢ」が執筆される前であることから、マックロんミーソシルは明らかにヒーペロ星とボボンガ星の間にある暗黒の惑星(ブラックホール)が意識されているようである。今後は、マックロんミーソシルに関して、メモ帳からいろいろと探る必要がありそうである。

「特殊な宇宙航行のヒントは、マックロんミーソシルにある。」と、今は亡き我が父に相当するエビカぁニⅡ世も、我がエビカぁニⅢ世に伝えているように感じてならない。

* : https://kotobank.jp/word/シュヴァルツシルトの外部解-789053より引用
** : https://ja.wikipedia.org/wiki/事象の地平面を参照

エビカぁニⅢ世、ここに記す→